オートメーション

Automation

産業用IoTをAIで強化する

NEXCOMのオートメーション向けEdge AI IPCは、Intel® Atom®およびCore™プロセッサを搭載し、豊富なI/Oを備えたファンレスコンピュータ(NISEシリーズ)を中心に展開しています。これらは、データ収集、ゲート制御、セルフサービスシステムなど、省スペースかつエントリーレベルの用途に最適です。

また、TTシリーズとして展開されるクロスインダストリー向けPCは、Intel® Core™プロセッサを搭載し、AIoT、ロボティクス、画像認識、スマートファクトリー向けの拡張スロットを備えたオートメーションPCです。

採用事例

製品

P-2000 (eSAF Platform Manager)

P-2000 (eSAF Platform Manager)

第12/13世代Intel® Core™ i3/i5/i7/i9プロセッサ対応 オールラウンドファンレスコンピュータ

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    2024/09/12
    採用事例
    NEXCOM

    無人EOTクレーンシステムが AI統合により鉄鋼工場の運用効率を向上

    はじめに NEXCOMの顧客である、この台湾最大手の鉄鋼メーカーの主要製品は、厚板、棒鋼、電気鉄鋼コイル、溶融亜鉛めっきコイルなどです。同社が出荷する鉄鋼は、1本あたり数十トンにもなります。これらの"重い"荷物は、EOT( Electric Overhead Travelling:自動天井)クレーンと呼ばれる、重量物を吊り上げて運搬を行う重機によって、運搬、加工、出荷されます。EOTクレーンは、工場のエリア内を水平および垂直に移動することで、鉄鋼コイルを吊り上げ、所定の位置まで運搬でき、スケジュールを管理しながら、数千トンの鉄鋼コイルを、工場や倉庫内外に搬送しています。   テクノロジー要件 EOTクレーンの操作には、以前は人手が必要でした。オペレーターは天井から吊り下げられた運転席に乗り込み、鉄鋼コイルの吊り上げと運搬を制御していました。しかし、この環境は高温で危険を伴います。さらに、人間のオペレーターには労働時間に制限があり、少なくとも4時間の休憩が必要です。 ひとたびEOTクレーンが故障すると、生産ライン全体が完全に停止し、数百万ドルの損失を招く可能性があります。手動による点検は定期的なメンテナンスを必要とし、現場の環境は非常に過酷です。人々が測定のために頻繁に現場に出向くことは、安全上のリスクがあります。   NEXCOMのソリューション Machine Vision Analyzer: NISE 3910E     これらの課題を克服するために、この製鉄会社は無人操作による自動EOTクレーンシステムを開発しました。このシステムは、PoEカメラ、3Dスキャナ、マシンビジョン(AI/MLアルゴリズム)と通信のための産業コンピュータ、PLC、HMIで構成されています。 EOTクレーンに搭載されたNISE 3900Eは、さまざまな環境の課題に対して優れた耐環境性能を提供します。特に、広温度範囲、衝撃、振動に対応できるよう設計されており、環境条件が過酷で運用の重要性が非常に高い、鉄鋼メーカーの倉庫に適しています。COMポートの絶縁設計により、NISE 3900Eは過酷な環境下でのサージを防ぎ、システムの信頼性を高めます。 無人のEOTクレーンを構築するためには、クレーンにマシンビジョンが必要です。鉄鋼メーカーは、オペレーターの視覚情報を、コンピュータを通じて論理的な制御コマンドに変換し、クレーン自身が解釈して実行することを試みました。NISE 3900E は、第8/9世代のIntel® Core™プロセッサを搭載し、マシンビジョンの画像入力として、PoEポートを介して高解像度カメラと3Dスキャナを統合し、PCIeスロットに搭載したGPUカードによって、グラフィックス処理性能を最大化して、画像処理・最適化から、機械・深層学習、マシンビジョンや物体認識まで、AI対応の産業用PCは、産業分野で求められるAI機能をしっかりサポートします。 さらに、NEXCOMは包括的なソフトウェアサービス「OT-X」を提供しています。これは、x86プラットフォーム上で動作し、OTとIoTを統合したゲートウェイとして使用できる、強力な新しい組み込みIoT OSで、OPC UAをサポートしています。産業用コンピューターを簡単にソフトウェアコンポーネントに変換できます。クラウドからエッジまで直感的なDockerイメージの展開が可能になり、OTおよびAIアプリケーション向けのマイクロサービスを容易に拡張できます。 無人のEOTクレーンに取り付けられた高解像度カメラが、トレーラープラットフォームの二次元画像を撮影します。一方、3Dスキャナは、二次元画像に基づいて、垂直方向の座標を再構築し、無人EOTクレーンの制御に必要な三次元データを提供します。この開発により、コンピュータビジョン技術が大幅に向上しました。これらの画像は、クレーンのオペレーターが使用するHMIに送信されます。オペレーターが画面上で鉄鋼コイルの保管位置を指定すると、制御コンピュータは、この保管位置を自動的に座標に変換し、その座標をEOTクレーンの制御システムに送信して吊り上げを実行します。 鉄鋼コイルの保管スロットを正確に位置決めするためのマシンビジョンシステムに加え、同社はさまざまなインテリジェントな物流関連技術も開発しました。これには、吊り上げスケジュールの最適化、AIを用いた最適な吊り上げ経路の計算、無人倉庫における順番待ちの最適化システムの構築などが含まれます。このシステムは、操作時間を正確に予測することができるため、ドライバーは最適なタイミングで倉庫に到着し、積み下ろし作業を行うことができます。 さらに、この鉄鋼メーカーは、数十万もの鉄鋼コイルが倉庫に出入りするプロセスを分析することで、倉庫管理システムに、効率的な保管場所を予測する機能を追加しました。これにより、各鉄鋼コイルの吊り上げ作業を最小限に抑え、最短の距離で効率よく操作できるようになりました。 吊り上げ操作中には、同社が設計した多機能なスマートリフティングクランプが、コイルの識別、コイルの中心の検出、鉄鋼コイルの正確な吊り上げと運搬を行います。また、このクランプにはアクティブな安全保護機構が搭載されており、ディープラーニング(深層学習)技術を用いて、作業エリア内の人や障害物を自動的に識別し、接触を避けるように動作します。   導入によるメリット 1. 労働作業と管理の最小化:    無人EOTクレーンは、24時間連続して稼働することができます。この自動化システムは、すべての従業員が帰宅した深夜でも機能します。バックエンドの管理手法により、前夜に自動吊り上げ作業や在庫管理を行うこともできます。 2. オペレーションの最適化:    鉄鋼メーカーは、吊り上げ作業の完全自動化を達成した後、無人EOTクレーンシステムを、物流と情報フローの両方に接続し、追加の手動操作や管理の必要性を削減しました。例えば、EOTクレーンを物流情報と接続することで、翌日の出荷に必要なコイルを特定することができます。システムは前日の夜に自動的にコイルを並べ替え、必要なコイルを積込みベイの近くに移動させます。これにより、翌日の出荷の準備時間が短縮されます。 また、配送ドライバーが倉庫の外でチェックインする際、IDカードをスワイプし、ドライバーの身元と車両番号が確認されると、倉庫管理システムがミッションの詳細を受け取り、指定された鉄鋼コイルの吊り上げ作業を自動的に開始します。 3. ダウンタイムとメンテナンスコストの削減:無人EOTクレーンシステムは、モータ、ギア、ブレーキなどの重要なクレーン部品の状態を、継続的に監視することができます。これらの部品からのデータを分析することで、AIは部品の健康状態や性能を評価することができ、メンテナンスチームが適切なタイミングで介入して、重大な故障を回避することが可能になりました。AI はまた、クレーンの正常運転時の基準パターンを確立し、逸脱をフラグ付けすることで、クレーン操作の異常な動作を識別することもできます。クレーンの性能が基準から逸脱した場合、AIはアラートを発し、メンテナンスチームが潜在的な問題を調査して、問題が大きくなる前に対処することができます。 2018年の導入以来、このシステムは60,000回以上の搬送を行い、30万本以上の鉄鋼コイルを吊り上げました。最初のシステムの成功を受け、鉄鋼メーカーはその後、同じ倉庫に2つ目のシステムを導入しました。この倉庫は約2万トンの鉄鋼コイルを収容でき、2台の無人EOTクレーンにより、鉄鋼コイルの吊り上げ作業が完全に自動化されています。 自社利用にとどまらず、鉄鋼メーカーは、このシステムを海外の鉄鋼工場にも提供しています。2019年には12台のシステムを販売し、コロナ禍の2022年には、リモートで顧客のシステムの調整や導入支援を行いました。  
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    2024/09/10
    採用事例
    NEXCOM

    交通違反の取り締まりに エッジAIシステムを導入 AIによるスマートで安全な都市を実現

    はじめに 口密度の高い島国である台湾は、交通システムの管理において、特有の課題を抱えています。交通部の統計報告によると、台湾の自動車保有台数は2,300万台となり、これはほぼ1人1台という驚異的な台数です。交通量が多いため、道路上には常に自動車やバイクが走っており、交差点での赤信号無視や、歩行者の安全を脅かす違法行為など、潜在的な安全上の懸念が生じています。これらの課題に対処するには、台湾のすべての道路利用者の安全を確保するための効果的な戦略が必要です。   テクノロジー要件 台湾がこれまで交通違反の取り締まりに設置してきたカメラシステムには、以下のような制限がありました。 低解像度のカメラ: 特に雨の日や夜間などの低照度条件下では、画質が悪く、違反の正確な特定が困難。 非効率なファイル圧縮: ファイルサイズが大きくなり、処理能力に大きな負担がかかり、全体的な効率に影響。 カメラアングルの制限と判定基準の厳格さ: 色ベースの物体検出アルゴリズムであるCAMShift(Continuously Adaptive Mean Shift)は、交通違反の判定に一般的に使用されているが、標準バージョンの大きな欠点の1つは、背景(または近くの物体)が同じ色である場合、目的のターゲットを追跡できないことがある。 これらの制限は、台湾の交通監視機能の向上を求める、革新的なソリューションの必要性を浮き彫りにしています。   NEXCOMのソリューション     Solution Architecture   NEXCOMのTT 300-A3Qは、台北市と台中市の主要交差点の交通信号ボックスに設置されています。他の高性能製品と比較して、TT 300-A3Qのコンパクトなサイズは、限られたスペースにシームレスに統合でき、高温多湿という過酷な条件でも優れたパフォーマンスを発揮します。-5°C~55°Cの広い温度範囲と、10%~95%の湿度範囲で効率的に動作します。すべてのI/Oが前面に配置されており、メンテナンスと設置が容易な設計になっています。 TT 300-A3Qを監視カメラに接続し、データの記録とナンバープレート認識を行うことで、警察官は、スピード違反、赤信号無視、歩行者の通行妨害、駐車違反などの交通違反者を検挙しています。 第12 世代Intel® Core™ プロセッサを搭載したTT 300-A3Qは、最大のグラフィックス処理能力を発揮し、さまざまなストレージデバイス、周辺機器、内部コンポーネントとの接続をサポートします。これにより、画像処理と最適化、機械学習、ディープラーニング、マシンビジョンなどの産業用AIアプリケーションに効果的に対応することができます。AIアルゴリズムは、映像やセンサデータを高精度かつ高速で解析し、違反の判定における人的ミスを減らすことで、より公平な取り締まりと誤認による違反切符の削減につながります。 高解像度のカメラでは、増加したデータを送信するために、5GやUSB 3.2 Gen2のような高帯域幅かつ安定したインターフェースが必要ですが、TT 300-A3Qはこれらの要件にも対応しています。   導入によるメリット 今後、市政府は TT 300-A3Q エッジ AI コンピューティング システムを他の交差点に拡大する予定です。主な利点は次のとおりです。 1. .法執行の正確性の向上: これまで、交差点での交通違反の特定は、従来の方法(例:CamShiftアルゴリズム)を使用したカメラ撮影によって行われていました。しかし、同じ色の背景がある場合に目標を追跡することに限界があり、誤認や繰り返しの手動判断が生じることがありました。NEXCOM のTT 300-A3QエッジAIコンピューティングシステムを導入することで、ビデオ映像やセンサーデータの分析が高精度かつ高速で行われ、違反の特定における人為的な誤りの可能性が大幅に減少します。また、労働コストの削減や、警察署内の業務効率の向上にも寄与します。 2. 交通流の最適化: GPU向けの PCIe x16 スロットを搭載したNEXCOM TT 300A3QエッジAIコンピューティングシステムは、さまざまなソースからのリアルタイムの交通データを分析して、交通流を最適化できます。実際の交通流に基づいて信号のタイミングを調整することで、交通信号をリアルタイムで制御します。これにより、渋滞が緩和され、移動時間が短縮され、燃料消費量が減少します。また、現在の交通状況を考慮して、リアルタイムで代替ルートを提案することができ、遅延を最小限に抑え、ドライバーが予期しない障害を回避するのに役立ちます。